アイスコーヒー・ブレンド
【生産国】ブレンド豆 (アフターミックス)
【地域】N/A
【標高】N/A
【品種】N/A
【焙煎度】N/A
【精製】N/A
【コメント】当店で唯一通年販売しているブレンド豆です。実はホットでも美味しく飲めます。
まず、ブレンド豆の作り方は、大雑把に二通りに分かれます。混ぜる豆を豆ごとに焙煎し、焙煎後に混ぜる方法をアフターミックス、最初に生豆を規定分量通り混ぜておいて、それを焙煎して完成させるのがプレミックスという方式です。
両者には一長一短があり、アフターミックスはそれぞれの豆の個性にあった焙煎をしてそれを混ぜるので、味わいの幅・表現力が広くなります。
それに対しプレミックスはいろんな豆を混ぜているにもかかわらず、ある特定の焙煎方法を行うので豆の味わいを活かすのが難しくなります。ですが実際にはプレミックスのほうが断然主流になっています。
ブレンド豆を作る際に一番大きな壁は、豆を均等に混ぜることなのです。焙煎がおわった豆を均等に混ぜ合わせるのはかなり手間がかかります。
消費者目線で言えば「混ぜればいいじゃん」と思うかもしれませんが、実はこれが大変なのです。「混ぜればいいじゃん」が通用するのは一回の作成量がせいぜい3kgぐらいまで。それ以上に作成する場合、混ぜる豆が5kg、10kg、50kg、100kgと増えていくと豆を混ぜるだけの撹拌の工程が発生し、作業時間と専用の器械が必要になります。また焙煎した豆はもろくなるので長時間かき混ぜていると豆が欠けたり、割れたりという問題も発生します。
焙煎を一度でもやったことがあればお分かりになるのですが、焙煎という作業には常に撹拌という作業が付随します。つまり、焙煎の前に生豆を合わせておけば、後は焙煎中に撹拌をしていつの間にか均等に混ざっているという状態になるわけです。大量生産品にとってはこのほうが断然都合がよいのです。
話は少しずれますが、2021年に中村倫也が主演したテレビ東京ドラマ「珈琲いかがでしょう」が放送されました。このドラマのなかで「TAKOブレンド」という8種類の豆をまぜたブレンドコーヒーが登場しました。本ドラマは猿田彦珈琲が技術協力をしており、ドラマ放送期間中はこのTAKOブレンドが猿田彦珈琲から発売されました。
当店のユーザーがこのコーヒーを購入し「あまり好きな味ではない (婉曲表現) 」ということで結構な量を店主にわけてくれました。自分が飲んだ感想はやはり「あまり好きな味ではない (婉曲表現) 」になりました。
この猿田彦珈琲から販売された「TAKOブレンド」は大量生産品なので、最初に生豆を配合して焙煎するプレミックスです。(確認したわけではないけどそうだと思う。)
コーヒーの生豆は同じ焙煎をしても、豆によって火の通りやすさ・色づきが異なります。このTAKOブレンドは8種類もの個性ある豆を混ぜているために、統一感のある見た目の焼き上がりにするには深煎りにせざるを得ず、一番火が通りにくい豆に焙煎を合わせると火が通りやすい豆はかなり黒々と焼けてしまいます。そうなると味わいとはなかなか呼べず、ただ苦いだけのコーヒー豆が混ざることになるのです。「あまり好きな味ではない (婉曲表現) 」になるのはある意味必然だったりします。
当店のアイスコーヒーブレンドを見てもらうと、アフターミックスゆえの焙煎度合い・焼き上がりの見た目が異なる豆が混ざっています。人によっては見た目が宜しくないと判断するかもしれません。当店は「最終的に美味しければいいじゃんね」という立場をとっており、見た目は気にしないようにしています。